- ○新型コロナウイルス(COVID-19)感染症と家庭動物
- 2025/03/21
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【新型コロナウイルス感染症とは】
2019年の年末に近い頃に中国の武漢で原因不明の呼吸器疾患が流行している、という情報で始まり、年明けの2020年には日本国内でも新型コロナウイルス(COVID-19)感染症が広がり始め、2月には東京の屋形船で国内初のクラスター(感染者集団)が発生、全国に蔓延していきました。
いわゆるパンデミックです。
呼吸器症状を主体に様々な病態があったのは、まだ記憶に新しいところです。では、私たちの家庭にいる動物たちに対して、新型コロナウイルスはどのような影響があったのでしょうか。
【動物の新型コロナウイルス感染について】
当院では新型コロナウイルス感染症と思われる動物を診察することがありませんでした。
人間での感染が最も酷かった時期で、飼い主さんが感染・発症した事例でも、ご家庭の動物に症状が現れた例はありませんでした。
日本国内全体でも、「新型コロナウイルス感染による症状」が疑われた動物は、ほとんど報告されていないようです。
海外では一部の動物に症状が見られたような報道があったようですが、人間の症例数と比較すると極めて少なかったと言えます。
一方で、2020年3月にはイヌやネコが新型コロナウイルスに感染することはすでに報告されていました。
結論として、『家庭動物(イヌやネコなど)にとって、新型コロナウイルスは感染するが、発症することはまれであり、重大な脅威ではなかった』ようです。