- 「タマネギ中毒」はどんな症状?
- 2025/02/25
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動物の「タマネギ中毒」は有名だけど、どんな症状なの?嘔吐?下痢?
「溶血性貧血」を起こし、死亡する可能性があります。
タマネギ・ネギ中毒は、急激な貧血を起こして、死亡する可能性が高い疾患です。
同じ中毒物質がニンニクやニラにもふくまれており、特にニンニクはタマネギの数倍の毒性があると言われています。
嘔吐や下痢、食欲低下などは初期に見られることがありますが、付随する症状であって、主たる問題ではありません。
おそらく、「中毒」という言葉だけがひとり歩きしてしまい、多くの飼い主さんが嘔吐や下痢、痙攣(けいれん)などを連想してしまうようですが、これらはタマネギ・ネギ中毒の主症状ではありません。
【タマネギ・ネギ中毒の機序】
タマネギ・ネギなどに含まれている成分により、血液中の赤血球が破壊されます。
このために、急激な貧血が起きます。
これを溶血性貧血と言います。
重度の症例では死に至る恐れがあります。◉ここが重要◉
中毒の原因成分は加熱しても変化しないので、調理済みのタマネギ・ネギ・ニンニクや、これらの料理の煮汁でも中毒が起きます。
特に煮汁は中毒成分が濃縮している可能性が高いので、少量の摂取でも中毒が起こる恐れがあります。【タマネギ・ネギ中毒の症状】
・即死するわけではありませんが、数時間単位で悪化します。
・貧血が進むと元気が無くなり、舌や歯ぐきなどの血色が悪く、色あせて見えます
・酸素を全身に運ぶ赤血球が極端に減るので、酸欠のため息切れしやすく、開口呼吸になることもあります。
・開口呼吸、ふらついたり虚脱(きょだつ)(=ぐったりすること)状態は、相当危険です。
・血色素が尿中に含まれるため、出血ではない赤色尿(血色素尿)が現れることもあります。
・中毒症状の程度は、動物の体格と、摂取したタマネギ・ネギなどの量が関係します。◉生のタマネギ・ネギに限らず、これらを含む調理済みの料理でも、動物が食べてしまったら、早く動物病院に相談してください◉