- イヌやネコがドライフードをほとんど噛まずに飲み込むのは異常ですか?
- 2025/05/23
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イヌやネコがドライフードをほとんど噛まずに飲み込むのは異常ですか?
健康なイヌ・ネコであれば問題ありません。
本来、捕食(肉食)動物は獲物の身体を飲み込める大きさに噛みちぎり、飲み込みやすいように多少噛む程度で、大部分は丸飲みします。
イヌもネコも捕食系の動物の特徴として、飲み込める大きさの食べ物はその大半を丸飲みすることが多いのです。
イヌ・ネコの奥歯(前臼歯、臼歯)はギザギザした形状で、雑食であるヒトの奥歯のような平らな構造ではありません。
ヒトは奥歯の平らな面を使って食べ物を細かくすり潰しますが、捕食動物の歯は獲物を噛みちぎるための形状なので奥歯もギザギザです。イヌの方がネコよりも雑食化しており、臼歯は他の歯よりも平らですが、それでもヒトほどには平らな面積が広くありません。
ネコの臼歯はかなり小さな形状です。
イヌ・ネコの歯はヒトの奥歯のようには平らでないため、ヒトのように食べ物をすり潰すような食べ方は、構造上向いていないのです。
また、ヒトの唾液にはデンプンを分解する酵素(アミラーゼ)が含まれており、消化のために食べ物と唾液をよく混ぜる「咀嚼(そしゃく)」をしますが、イヌやネコの唾液中にはこの酵素がわずか、もしくはほとんど存在しないため、そもそもヒトのような咀嚼は必要ありません。
現在は日々の食餌としてドライフードを食べているイヌ・ネコが多いと思われますが、ドライフードの大半を丸飲みしていることはよくあります。
ドライフードの一部を噛み砕くことはあっても、すべてのフードの粒を細かくすり潰すことは歯の構造上困難です。
健康に問題が無いイヌやネコがドライフードの大半を丸飲みすることは、異常と考える必要はありませんからご安心ください。
もちろん、フードをよく噛み砕いて食べる習性のイヌやネコがいても、それも特にかまいません。
飲食、排泄、元気・活動性など一般健康状態に問題が無ければ、一概に正常、異常と決めつける必要はありません。
参考までに、一般的なドライフードの粒はイヌやネコの歯の構造や食習性を考慮して、噛まずに飲み込める大きさと消化性を基準に作られています。
このため、中型犬・大型犬用のドライフードに比べて小型犬用や猫用フードの方が粒が小さいのです。