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  • 室内飼育の動物が細菌感染の疑いと言われました。まったく外出させていないのに、なぜでしょうか?
  • 2025/05/27
  • 室内飼育の動物が細菌感染の疑いと言われました。まったく外出させていないのに、なぜでしょうか?

    私たちの身の回りには室内外を問わず、無数の細菌などの微生物が存在します。ヒトも動物たちも、細菌などの感染の可能性は常にあります。

     私たちは常に細菌などの微生物と接触しています。
     健常な皮膚上にも空気中にも細菌は存在しており、一般的な生活で「無菌」はあり得ません。
     細菌の大きさは1〜10μm(マイクロメートル)( = 1 μmは1000分の1ミリメートル)、ウイルスはさらに小さく1〜10nm(ナノメートル)( = 1 nm は1000分の1マイクロメートル)で、肉眼で見える大きさではありません。
     細菌やウイルスが生活環境のどこにあるのか見えないのは当然で、目では見えないから細菌やウイルスが存在しないということにはなりません。
     むしろ、細菌などの微生物は常に身の回りに存在するのだという意識が必要です。
     イヌもネコも習性として、様々なものの臭いを確認するために鼻を対象物に近づけます。
     その際に病原菌などを吸い込むこともあるでしょうし、舌で舐めれば口の中に菌を取り込むこともあります。
     また、本人が外出していなくても家族が病原菌や病原ウイルスを家庭に持ち込むことで感染するケースは珍しくありません。

     ほんの4〜5年前、新型コロナウイルスが蔓延していた時期はそのような例はよくあったことですし、みなさんも十分に見聞・経験済みだと思います。
     新型コロナウイルスに限らず、他の病原菌や病原ウイルスも同様に家庭に侵入する可能性は常にあるのだとご理解ください。
     なお、微生物を完全に殺滅し、無菌状態にすることを「滅菌(sterilization )」と言います。
     滅菌方法としては「高圧蒸気滅菌」「火炎滅菌」「ガス滅菌」などがありますが、どれもヒトや動物を含めた生体には使用できません。
     例えば「高圧蒸気滅菌」はオートクレーブという機械を使って、一般的な条件では121℃20分で滅菌しますが、当然生体には耐えられない条件です。
     つまり、私たちの身体そのものや身の回りを「滅菌」すなわち無菌状態にすることは実際には不可能であり、常に微生物と共存せざるを得ないのが現実なのです。

     一見清潔のように見える室内であっても、細菌などの感染は常にあり得るのです。

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