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  • 小型犬でも散歩は必要なの?
  • 2025/08/28
  • 小型犬でも散歩は必要なの?

    必ず散歩に行かなければならないわけではありませんが、散歩の利点はあります。
     イヌの散歩には、いくつかの目的や意味があります。
     健康で体調に問題が無いイヌであれば、散歩の意義は大きいと考えられますが、個々のイヌの条件によって判断しなければなりません。
     若齢期から散歩に慣れているイヌは、犬種に関わらず全く問題無く散歩できるでしょう。
     一方、なんらかの理由で外出に慣れていないイヌは屋外でパニックを起こす場合などもあり、画一的に全てのイヌに散歩を強要はできません。
     散歩に慣れさせるためには、最初は自宅のすぐ近くだけの外出だけにとどめ、その後少しずつ自宅から距離のある場所まで目標を伸ばしていくようにしましょう。
     散歩の時だけにオヤツを与えるなど、散歩の印象を良くすると慣れるのが早くなるかもしれません。
     散歩に慣れているイヌでも、病気やケガなどで運動を控える必要がある場合は体調が回復してから、もしくは無理が無い程度で散歩に行きましょう。
     また、例えば夏季の高気温は熱中症や火傷の危険性があるので、気候などの状況に応じて散歩を調節する必要があります。
     主な散歩の目的や意味については、下記のとおりです。

    【運動】
     自宅内では実施できない運動を目的として外に出ることが、一般的な散歩の理由です。
     特に中型犬・大型犬は必要な運動量を自宅内でこなすのは困難で、散歩による運動は必要性が高いでしょう。
     運動という目的であれば、実際にイヌを歩かせる必要があります。
     自宅の外に出ても、イヌが近隣の臭いを嗅ぐばかりであまり移動しない場合は、運動量は期待できません。
     小型犬の場合、イヌを抱いたままだと飼い主さんの運動にはなるかもしれませんが、イヌの運動にはなりません。
     よく散歩に必要な時間の目安が問われますが、これはイヌが歩いていることを前提とした情報なので、屋外に出ている時間が長くても、あまり歩いていなければ運動不足ということになります。
     運動を目的とするのであれば、気候や体調を考慮したうえで、無理の無い範囲である程度決まったコースや目的地を設定し、確実にイヌが運動できるように計画しましょう。

    【健康状態のチェック】
     毎日決まったコースを決まったペースで散歩する習慣が確立すると、イヌの体調の変化に気付きやすくなります。
     散歩時に「歩行スピードが遅い」「息切れしやすい」「四肢をかばう」など、室内ではわかりにくかったイヌの異常を発見しやすくなり、病気などの早期発見が期待できます。

     

    【社会化】
     外界の環境に慣れさせるのは、運動よりも重要な散歩の利点かもしれません。
     自宅以外の環境を経験させることで、イヌの精神的な成長や気分転換が期待できます。
     家族以外のヒトやイヌ、自動車、様々な音・においなど、外界での様々な経験が自宅内では得られない刺激になり、イヌの精神的な成長に寄与する期待が持てます。
     イヌの元々の性格にもよりますが、経験値が高くなると少々の生活の変化やアクシデントにも動じず、適応力が高く落ち着いた性格に成長することが期待できます。
     これをイヌの「社会化」と呼ぶことがあります。
     社会化されたイヌは、飼い主さんにとってコントロールしやすく、トラブルも起きにくいと考えられます。
     生後2〜3ヶ月の間に社会化させることが好ましいと言われますが、ワクチン接種時期との兼ね合いもあるため、現実には全てが理想どおりになるわけではありません。
     2〜3ヶ月以後でも諦める必要は無く、徐々に外界に慣らしていきましょう。
     逆に全く外出しないと、イヌの生活の大半、大袈裟な言い方をすればそのイヌの世界は自宅内に限定され、結果的に精神的に偏った性格・性質になる恐れがあります。
     イヌの「問題行動」のいくつかは、社会化のレベルによって左右されることがあると思われます。

    【飼い主さんとの関係性の強化】
     イヌは本来、群れで生活する習性の動物で、特に群れの仲間との上下関係が重要です。
     群れで移動する場合はリーダーが先導し、他の個体はリーダーに従って行動します。
     飼いイヌの場合は、自分が所属する家族が群れということになります。
     散歩は「群れの移動」の疑似体験であり、散歩を主導する立場がリーダーということになります。
     つまり散歩の主導者、すなわち散歩中に先頭を歩き、行き先を決定するのは飼い主さんである必要があります。
     連れて行った広場などで遊ばせるなどの「イヌの自由」を奪うということではなく、その往復の移動中の主導者は飼い主さんであるべき、という意味です。
     飼い主さんが明確なリーダーシップを示すことで、イヌは服従性(リーダーに従う性質)が身につきやすく、結果的に飼い主さんに従い、コントロールしやすい性格に育つ可能性が期待できます。

     逆に、散歩の時にイヌが先頭を歩いて行き先を決める習慣を続けると、イヌは自分が群れのリーダーであると認識し、飼い主さんに従わなくなる恐れがあります。
     先頭を歩くイヌがリーダー、後からイヌに従う飼い主さんは下位の存在、という順位付けを学習してしまうからです。
     実はこの散歩時の順位付け行動が「飼い主さんに従わない」「飼い主さんを噛む」など、イヌの問題行動の最初のきっかけになることがあると考えられます。
     イヌの問題行動でよく相談があるのが「自己主張性攻撃行動」と呼ばれる、イヌが自分の主張を通すために飼い主さん(家族)を噛む事例です。
     イヌの群れでは、上位のイヌが下位の者を噛んで従わせるのは当然の行動であるため、イヌが自分はリーダーであると自覚すると、下位である飼い主さんを従わせるために噛むことをためらわなくなる恐れがあります。
     散歩時の順位付けがすべて「自己主張性攻撃行動」につながるわけではないかもしれませんが、順位付けに関係する行動の小さな積み重ねがイヌの意識に影響する可能性はありますから、問題が大きくなる前に防ぐ方が賢明でしょう。

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