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  • ネコの問題行動(その4):ネコの問題行動を予防する原則
  • 2026/04/17
  • 「問題行動」とは、ネコと飼い主さん・ご家族が生活する上で、不都合なネコの行動のことを言います。
     ネコにとって特別な行動でなくても、ご家族には問題になるケースもあります。
     ネコもイヌも野生動物ではないので、家庭動物として人間と協調した生活習慣が求められるのが現実です。
     健康なネコであれば、問題行動の多くは不安や不満、ストレスがきっかけで起こるケースが多いと考えられます。
     ネコにとってストレスが少なく、快適に生活するための原則を理解して、問題行動が起こるのを予防しましょう。
     個々のネコによって個性の違いはありますが、ネコが快適に生活するための原則は次のとおりです。

    【ネコが安心できる安全な居場所があること】
     ネコは警戒心が強い動物です。
     安全性が高くリラックスできる居場所を提供することで、ネコが安心できる生活の拠点(居場所)を確保しましょう。
     身を隠すことができる場所を好んだり、キャットタワーなどのテリトリーを見渡せる高い場所を好む場合もあるため、複数の拠点を準備すると良いでしょう。
     ただし、例えば大型家具の裏側など一度入ると出て来れない・助けられないような狭い場所には入らないように気をつけてください。
     ケージ(オリ)やクレートに入ることを好むネコもいます。
     人間の価値観では「自分からオリに入るなんて…!」と思われるかもしれませんが、そのネコが安心・安全な場所と感じるのであればかまいません。
     やや話が脱線しますが、震災など避難が必要な状況では、動物をできるだけ早く持ち運び用のキャリーやクレートなどに入れる必要があります。
     防災の観点からは、普段からケージやクレートに入ることに慣れている動物は、避難の際に有利であると考えられます。

    【ネコの生活に重要なアイテムが複数あり、それぞれ違う置き場所に設置すること】
     ネコにとって重要なアイテムとは、「食べ物」「飲み水」「トイレ」「寝場所」以外にも「おもちゃ」や「爪とぎ器」などが含まれます。
     「寝場所」はもちろんですが、「食べ物」「飲み水」「トイレ」の設置も落ち着ける場所を選ぶとともに、複数ある方が好ましいと言われています。
     特に複数のネコが同居している家庭では、アイテムの数はネコの飼育数プラス1が最低でも必要になると考えられます。
     例えばネコの飼育数が2であれば、トイレは3ヶ所以上ある方が良いということです。
     特にトイレや爪とぎ器は複数あると、不適切な排泄や爪とぎの問題が起こりにくくなると期待できます。

    【遊びや捕食行動の機会があること】
     ネコは本来「捕食動物」で、獲物になる小型動物を捕獲する欲求を持っているため、おもちゃなどで遊ぶことは捕獲行動の疑似体験として重要です。
     おもちゃを獲物とみなして遊ぶことが、捕食動物としての欲求を満たすのに役立ちます。
     ネコが誤食・誤飲しないように、おもちゃは容易にちぎれないもの、飲み込めないものを選びましょう。

    【ネコと人間の好意的な関係に一貫性があり、ネコが予測可能であること】
     わかりやすく言えば「ネコに『サプライズ』は必要無い」ということです。
     サプライズは必要無いどころか、ネコが驚くような接し方は人間との信頼関係を破壊する恐れがあります。
     ネコは基本的に警戒心が強いため、ネコにとって人間が安心できる存在であることを理解させるためには、人間の行動が好意的で一定している必要があります。
     人間の行動がネコの予想の範囲内で、良好な信頼関係を保てばネコのストレスは起こりにくくなります。
     安定した毎日の繰り返しが、ネコが求める安心・安全につながると考えられます。
     逆に人間の行動がしばしばネコを驚かせるような状況や、生活習慣・ルールがコロコロ変更されると、ネコが恐怖や不安・不満を感じ、人間に不信感を持ってもおかしくないのです。
     ネコは「新しい物品」や「初めて経験する事象」「予測できない出来事」に不安や恐怖を感じる傾向があるため、冒頭のとおりネコにサプライズは避けるべきなのです。
     何をサプライズと感じるかは、ネコによって違いがありますので、新しい家具の導入など、生活環境の変化には十分注意しましょう。
     当然、ネコがイジワルや嫌がらせと受け止めかねないことも避けるべきです。

    【ネコの重要な感覚である「におい」に十分な配慮をすること】
     ネコは嗅覚が優れているだけでなく、「におい」は重要な意味を持ちます。
     ネコは、においから様々な情報を得ると考えられています。
     例えば動物病院から連れて帰ってきたネコに対して、自宅待機していた同居のネコが攻撃的に振る舞うことはよくあります。
     人間の嗅覚ではわからなくてもネコはにおいに敏感なので、動物病院のにおいを身につけて帰ってきたネコに対して、不安・恐怖を感じるのだと考えられます。
     動物病院のにおいが薄れ、自宅のにおいに置き換わるまで、同居ネコの不安が続くことが多いようです。
     また、「人間にとっての良いにおい」や「高級な香水の香り」などの基準は、ネコにとっては意味がありません。
     ネコにとって「意味がある」においと、人間が好むにおいとは別だと理解しましょう。
     さらに、においはネコにとっての重要な情報源であるため、その情報収集の妨げになる「邪魔なにおい」や「強いにおい」を嫌うことがよくあります。
     人間が、大切な仕事や好きな音楽に集中したい時に、騒音などで邪魔されてイライラするようなものです。
     その邪魔なにおいが、実は飼い主さんが好きな香水かもしれない可能性も理解しておくべきです。
     生活環境内のにおいには十分配慮しましょう。

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