- 『逆くしゃみ』は心配しなくていいと聞いたことがありますが、本当に大丈夫なの?
- 2025/06/24
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『逆くしゃみ』は心配しなくていいと聞いたことがありますが、本当に大丈夫なの?
深刻な別の問題を『逆くしゃみ』と誤解される例もあるので、動物病院での受診をおすすめします。
動物の『逆くしゃみ』を疑う症状に気づかれたなら、まず動物病院で受診してください。『逆くしゃみ』は深刻な問題では無いという情報もあるようですが、どのような現象・症状を『逆くしゃみ』と思われるか、見る人(飼い主さん)によって解釈がバラバラなのが現実です。
インターネット上で『逆くしゃみ』と紹介されている動画でも、中には『逆くしゃみ』ではなさそうなものも含まれているようです。
飼い主さんがどの動画を参考にされるかも影響するでしょう。
他の深刻な問題を『逆くしゃみ』と誤解し、放置されると悪化する恐れもありますから、手遅れにならないように注意しなければなりません。
飼い主さんが『逆くしゃみ』と思われて受診された過去の症例を紹介すると、以下のとおり様々な症状・病態があります。
[飼い主さんが『逆くしゃみ』と思われての受診の事例]
・咳(せき)
・「気管虚脱」による呼吸音の変化や呼吸困難
・「軟口蓋過長症」による呼吸音の変化や呼吸困難
・イビキ
・けいれん
・通常のくしゃみ
・嘔吐前の吐き気の仕草
上記の中で、咳は心臓病や呼吸器障害の可能性があり、気管虚脱や軟口蓋過長症では呼吸困難を起こす場合もあります。
けいれんも、もちろん放置できません。
いずれも悪化・急変すると命の危険につながる可能性があります。
【『逆くしゃみ』って何?】
そもそも『逆くしゃみ』とは特定の病名ではなく、症状・現象の通称です。
人によって『逆くしゃみ』と認識する状態が前述のとおりバラバラなのですから、『逆くしゃみ』という言葉だけでは、実際のところどのような状態なのか、病気なのかどうかさえ判断できないケースも多いのです。
『逆くしゃみ』の原因については様々な説が見られるため、おそらく複数の要因・原因が関係していると推測されます。
言葉どおりに解釈すれば、通常のくしゃみは鼻腔内の呼吸の妨げになる障害物・刺激物を勢いよく排出する現象ですから、『逆くしゃみ』であれば、吸気のタイミングでの症状と考えるのが妥当でしょう。
おそらく発作的に何回か繰り返す強い吸気現象であると思われますので、鼻腔内の異物・刺激物を吸い込もうとしているのかもしれません。
ただし、異常な吸気動作ということであれば、気管虚脱や軟口蓋過長などが原因の「呼吸困難」も、見る人によっては『逆くしゃみ』と思われる場合があるでしょう。
上記の症状・疾患の事例以外でも呼吸困難を伴うのであれば、深刻な状態に至る恐れもありますので、『逆くしゃみ』という言葉にとらわれずに動物病院での受診をお勧めします。
その際には、できればその『逆くしゃみ』の動画を撮影してご持参いただけると診断の参考になります。