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  • 夏期にヒトはスポーツ飲料などを勧められることがありますが、イヌやネコにも必要ですか?
  • 2025/06/17
  •  夏期にヒトはスポーツ飲料などを勧められることがありますが、イヌやネコにも必要ですか?

     暑いという理由でスポーツ飲料などを動物に与える必要ありません。水分補給は必要なので、新鮮な水を与えましょう。

     ヒトは多量の汗をかくので、水分だけでなく、汗で失われる塩分や電解質を補給するためにいわゆるスポーツ飲料などが勧められます。
     一方、イヌやネコには汗をかく「汗腺(かんせん)」という名前の組織は存在しますが、ヒトのような大量の汗をかくことはありません。
     みなさんも、どんなに暑い日でも汗びっしょりのイヌやネコをご覧になったことはないはずです。
     ヒトと比較するとイヌやネコはほとんど汗をかかないと言っても過言ではないので、暑い時期でも汗によって塩分や電解質が大量に失われることはないのです。
     このため、暑いという理由でイヌやネコにスポーツ飲料などを与える必要はなく、食べ物と新鮮な水を与えていればよいでしょう。
     スポーツ飲料に類する代表的なものに「○○○スウェット」という名称の商品がありますが、「スウェット」すなわち「sweat」は「汗」のことですから、そもそも汗をほとんどかかない動物に「○○○スウェット」が必要ないことは容易にご理解いただけるでしょう。
     「○○○スウェット」の製造会社も、「発汗によって失われた水分、電解質を補給する目的の飲料」と説明しています。
     水分は必要なので、新鮮な水を与えなければいけませんが、スポーツ飲料にこだわる必要はありません。
     スポーツ飲料などには糖分、塩分、電解質などが相当量含まれているので、動物に与えると、これらの成分の過剰摂取になる恐れがあります。
     含まれている糖分や塩分を美味しいと感じると、動物も喜んで多量に飲んでしまうかもしれません。
     スポーツ飲料を薄めて与えても、多量に飲めば摂取塩分なども多量になります。

     前述のとおりイヌやネコは汗で塩分を排出することがないので、塩分が過剰になる可能性はもちろん、習慣的に与え続けると、肥満や高血糖、高血圧などの原因になる可能性も指摘されています。
     ヒトでも、スポーツ飲料を飲み過ぎることによって「ペットボトル症候群」になる可能性があるそうです。
     [ペットボトル症候群:スポーツ飲料や清涼飲料水を飲み過ぎることで、急激な血糖値の上昇が起こる病気で、急性糖尿病のひとつと言われています。]
     

     イヌやネコに電解質の補給を考慮しなければならないのは、嘔吐や下痢などの症状が続いたことが原因で電解質が明らかに失われた場合や、その他の疾患のために電解質がアンバランスになっているケースなどでしょう。

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