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  • ○動物の元気が無い時には生レバーを与えると良いと言われたことがありますが、本当ですか?
  • 2025/04/23
  •  動物の元気が無い時には生レバーを与えると良いと言われたことがありますが、本当ですか?

     与えないでください。生レバーを含めて生の内臓や生肉は、食中毒菌やその他細菌などの感染症の原因になる恐れがあります。特に生レバーはビタミンA過剰症で元に戻らない障害が起こる可能性もありますので、与えないでください。
        

     生の内臓や生肉は食中毒を起こす恐れがあり、他の感染症の可能性もありますから、ヒトも動物も生で食べるのは避けるべきです。

     生レバーには動物にとって多量のビタミンAが含まれており、飼い主さんが少量のつもりで与えても、動物の体内で蓄積されることがあります。

     ビタミンAは脂溶性ビタミンのひとつです。

     不足すると繁殖障害、網膜変性などが起こりやすくなり、骨格の発達にも欠かせないビタミンです。

     一方で、他の脂溶性ビタミンと同様にビタミンAも体内に蓄積する傾向があり、与え過ぎると過剰症が起こります。

     多量のビタミンA摂取は骨増生・骨新生(骨が肥厚したり、本来骨が無い部分にまで骨が増殖して変形すること)が過剰に起こり、脊椎、特に頚椎(けいつい)( = 首の骨)での「椎骨癒合」が起こる例があります。

    「椎骨癒合」とは、もともと独立した脊椎の個々の骨が合体して繋がることで、脊椎の柔軟性が失われ、障害が起こります。

     他の椎骨や四肢にも同様の異常が起こることがあります。

     四肢では、関節の腱・靭帯の付着する部分の骨が増殖し(「腱靭帯付着部骨棘」と呼びます)、外観は関節の腫大として気づかれることがあります。

     症状は「跛行(はこう)」「歩様異常」「頚部痛」などで、進行すると前肢の「麻痺(まひ)」が起こる場合もあるようです。

     「跛行」とは、四肢のいずれかをかばって歩くことです。

     他に被毛の劣化、食欲低下、体重減少なども見られます。

     頚椎の椎骨癒合が起こると首が曲がりづらくなるため、グルーミング(毛づくろい)ができなくなります。

     イヌもネコもビタミンA過剰症の発生はあり得ます。

     原因は生レバーの給餌、過剰なサプリメントの摂取などが考えられます。

     原因の生レバーなどを中止しても、骨増生などの症状や障害は残る恐れがあります。

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