- ○常同障害
- 2026/06/26
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ストレスが関連して発生すると考えられる問題のひとつが「常同障害」です。
常同障害とは、明確な目的が無い、単調な反復行動を継続することです。
人間の「強迫性障害」と病態や治療に対する反応が似ているという見解もあります。
動物の常同障害は、ストレスやフラストレーション(欲求不満)が原因の、心理的な葛藤に起因する行動であると考えられます。
飼い主さんとのふれあいが極端に少なく、慢性的に退屈な状態が継続している場合でも常同障害が発症する恐れがあります。
動物で一般的に見られる病態は「尾追い」「自傷」「過剰な舐め行動」「旋回」「ハエ咬み行動や幻覚を見ているような行動」などで、「鳴く」こともあるようです。
下記のような行動が繰り返し見られる場合は、動物病院にご相談いただくことをお勧めします。
【イヌで多い常同障害の例】
・尾追い
自分のしっぽを追いかけて回り続ける行動です。
※ストレスではなく、「てんかん」の関連症状である可能性があるため、慎重な診断が必要です。
・ハエ咬み行動(fly biting)
実際にはハエなどがいないにも関わらず、文字どおり、まるで飛んでいるハエを追い回すかのような行動です。
※ハエ咬み行動も、てんかん性の症状である場合が考えられるため慎重な鑑別診断が必要です。
・自傷
自分の身体を噛んだりして傷つける行動です。
※自傷は皮膚疾患による痒みや、疼痛を伴う疾患が原因の場合もあり得るので、鑑別診断が必要になります。
・旋回・壁沿いに走り続ける
目的が無く、輪を描くように歩いたり、壁沿いに走り続けたりする行動です。
※高齢性認知機能不全(いわゆる認知症)の「徘徊」と似ていますが、声をかけるなどの刺激や、ストレスの原因を除去できると、常同行動である旋回運動は中断できる(止めることができる)と考えられます。
・鳴く(発声)
目的を持たずに鳴く行動です。
※これも認知症の「夜鳴き」と似ていますが、認知症と異なり、飼い主さんからの声かけなどで制止可能な場合があります。
・その他
「壁に向かった状態で身体を揺らし続ける」「影が気になって注視続ける」なども、常同行動である可能性があります。
【ネコで多い常同障害の例】
・過剰な舐め行動
自分自身を過剰に舐め続けると、脱毛や皮膚炎(舐性皮膚炎、肉芽腫)が起こる場合があります。
心因性脱毛症と診断される場合があります。
※皮膚疾患による痒みなどが原因の場合もあり得るので、鑑別診断が必要になります。
・織物吸い行動
カーペットや布などを繰り返し吸い続ける行動です。
かじっていなくても、口内に残った繊維を飲み込むと腸閉塞などの原因になる恐れがあります。
・織物摂食行動
カーペットや布などをかじって飲み込むことを意味しますが、腸閉塞などの原因になる恐れがあるため、飲み込む可能性があるものは速やかに取り上げてしまわなければいけません。
・鳴く(発声)
明確な目的が不明な、反復して鳴く行動です。
【常同障害の対策】
・ストレスの原因の排除
ストレスが関連していると考えられる常同障害では、まずストレスの原因を取り除くことが必要です。
何が原因で動物がストレスを感じているのか、注意深く観察しましょう。
ある特定の出来事と連動するように常同障害が始まったのであれば、まずその出来事が原因である可能性を疑います。
ただし、動物の感覚は人間と共通である範囲と、人間では感知できない範囲があるので、原因が特定しにくい事例があるかもしれません。
また、ある程度原因がわかっても、原因を除去できない場合もあり得ます。
・薬剤治療
ストレスの原因が特定できない、もしくは原因を完全には除去できない常同障害については、薬剤療法を実施することがあります。
治療開始から効果が出るまである程度の時間が必要で、症状が改善したと言える状態までは数週間以上かかることがあります。
ストレスの原因対策が不完全でも、多少の状況改善が可能であれば、薬剤療法の効果も現れやすくなるかもしれません。
◾️◾️常同障害がエスカレートすると皮膚障害や腸閉塞など、治療が必要な別の問題につながる恐れがありますので、早めに動物病院にご相談いただくことをお勧めします。◾️◾️




