- ○人間の命令に従わない動物は知能に問題があるのですか?
- 2026/10/16
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人間の命令に従わない動物は知能に問題があるのですか?
知能の問題ではなく、服従性が関係している場合が一般的に多いと思われます。指導や命令に従って、人間に好都合な行動ができる動物を「賢い」ととらえがちですが、これは動物の能力の一面だけの評価です。
「賢い」、すなわち「知能が高い」とは、本来は自ら考え、理解し、適切な答えを導き出す能力を意味します。
しつけを覚えたりすることが賢くないわけではありませんが、人間が希望するとおりに行動しないからと言って、その動物の知能が低いとは言えません。
指示通りに行動できる能力は役に立ちますが、指示に関係無く自力で正解を導き出す能力こそが、高い知能として評価されるべきでしょう。
ただし、その知能の高さが人間にとって都合が良い行動に反映されるかどうかは別の問題です。
【知能と服従性】
命令に従う性質を「服従性」と呼びます。
人間の指示に従うかどうかは、その動物の服従性が関係します。
知能が高くても、服従性が低い性質なら、命令に従わないケースがあり得ます。
服従性については諸説ありますが、群れで生活する習性(群生)との関連が以前から指摘されています。
服従性と群生の関係を考える上でわかりやすいのは、一般平均的なイヌとネコの性質の比較です。
イヌは元々群れを作って社会性のある生活をする群生動物だったので、群れ社会のルールに基づいた行動を維持するためにリーダーや目上の個体に従う性質、すなわち服従性があります。
イヌはこの服従性を利用して、様々なコマンド(命令)に従うようにしつけや訓練が可能で、盲導犬、介助犬、警察犬などの高度な仕事ができるのです。
これに対し、ネコは基本的に単独生活の動物なので、リーダーに従う服従性を必要としないライフスタイルです。
盲導犬、介助犬、警察犬と同等の仕事をしているネコが存在しない理由のひとつは、服従性が高くないので、リーダーの命令に従って作業や仕事をする性質がないためです。
一方で、ネコの知能が高いのは周知の事実で、教えたことがない行動を自らの能力で習得する例は多々あります。
そもそも人間がネコを飼育し始めたきっかけは、農業によって収穫した穀物をネズミの被害から守るため、というのが有力な説です。
どうすればネズミを捕獲できるかは人間が訓練して教えたわけではなく、ネコの高い能力に仕事を任せてきたのです。
訓練の結果、人間の役に立つ仕事ができるイヌを賢い、訓練が適さない性質のネコを賢くない、という意見があるとすれば、それは人間の都合による一面的な評価であって、動物の知能全般の公平な評価とは言えないのです。
【イヌがコマンドに従うかどうかは、相手をリーダーや目上の存在として認めているかが関係します】
前述のとおり、イヌにはリーダーに従う服従性があるはずですが、そもそもコマンドを出す人間をリーダーとして認めていなければ、イヌはその人に従う必要を感じません。
おとなの指示には従うイヌが、子供さんの指示には従わない事例はよく見られます。
イヌは相手が自分よりも目上かどうか、従うべき相手かどうかを見極めています。
飼い主さんの命令に従わないイヌは、実は飼い主さんを服従すべき相手・リーダーとして認識していない可能性があり、これは珍しい事例ではありません。
イヌが指示に従うかどうかは知能の問題ではなく、指示を出す人間との関係性に影響される場合もあります。




